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2009年5月

プレナイト・ブレスレット

アゲハにかまけているうちに、ぼんやりしていると夏になってしまいそう。(アゲハはいまは蛹になって、じーっと目が覚めるのを待っています。ちょっと冷え込んでいる日が多いので心配ですが目が覚めてくれるといいな。)その前に春っぽい石を。

Dvc10368プレナイト、組成:Ca2Al(AlSi3019)(OH2)。硬度:6-6.5のフィロ珪酸塩鉱物です。これとサーペンティン(ニュージェイド・ネフライト)がビーズで一緒に出てきたら、ちょっと私区別する自信ありません…。でも、プレナイトの方が透明度が高いかなぁ。もっともどちらもお財布に優しい石なのでそんなに心配しなくても大丈夫。一応珪酸塩鉱物なので、硬度は6以上あって、手触りもカルセドニーのような感じです。結晶になっている所が、ちょうど葡萄の実がなっているような形にぽっこりぽっこりしているところから、「葡萄石」とか「マスカット」とも呼ばれたりします。色はマスカット色のものが多いようですが、白やオレンジかかったのものもあるそうです。

写真にも写っていますが、ちらちらと中に含まれている苔っぽい内包物は緑廉石(エピドート)です。一緒に出てくるらしいので、安いビーズとかには結構入っちゃうんですね。ルースにしたり、ブリオレットカットしたりするものは、含まれていない部分が使われていますが、これはオークションでえいっと落としたものなので、緑廉石が入ってた方がむしろ安心か、くらいの気持ちで買ってみました。ぷるぷるのみずみずしい色。

Dvc10367 この石は何がいいって、その気安い値段と使い勝手の良さです。硬度がある程度あるので、ブリオレットは初めて使う人の練習にも使えますし、新芽のような柔らかな色もとっても魅力的なので、シンプルに繋ぐだけでも楽しめます。沢山取れている今のうちに是非!な石です。(石も自然資源なので、やっぱり産出が減ってくると値段が上がっちゃいます。本当に。余談ですが、今私、色の濃い目のアメジストブリオを探しているんですが、なかなかないです。薄いのはそこかしこで見かけるのになー)

穏やかな、春の光のようなグリーン。私のお友達で、この石がとっても似合いそうな女の子がいるのですが、彼女の先初めの花のような優しさにいつも助けられます。私もこんな柔らかな色が似合うといいんだけどなぁ。

今日も素敵な一日になりますように。

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ピーターサイト(テンペスト・ストーン/クロシドライトアゲート)

鉱物眺めるの好っきー、なんてのんびりしてる図は、そのまま帰ってこなかったりすると危ない人になっちゃいますが、お友達含め私の趣味そのものについては、割と温かい目で見ていていただけるようで、とても感謝しています。が、中には「どして、この石?」と言われちゃう石もあって、今日の石も私の母を「わからないわー」と言わせちゃう、さして綺麗でもない、ちょっと変わった石です。

Dvc10322ピーターサイト、組成は探しても見つからなかったので書けないんですが、クロシドライト(石綿の一種)にSiO2がしみこんで出来たもののようです。あんまり資料もなくて、ぱっと見は、タイガーアイとホークアイが混ざったような不思議な色合い(ようなじゃなくて実際そうらしいです)。SiO2、シリカが入っているので硬度は6.5-7前後でしょうか。

ちょっと薄気味悪いようにも見えちゃう石とも思うんですが、私この石を見ると、印象派のゴッホの筆使いを思い出します。あるいはちょっと離れてますがムンクとか。テンペストストーン(嵐の石)なんていい名前。情熱を感じさせるような赤茶と、どこまでも静かな青。ゴッホの作品で「星月夜」とか夜空が描かれている部分がある絵が何枚かありますが、なんとなく似てるなって思います。

Dvc10323

もちろん、こういう感じではなくモザイク模様の青の綺麗なものもあります。そっちは「モザイク、かけら♪」(←ってまだ抜けてないのか)ううん、もちょっと可愛らしい感じです。

近頃、美術館行ってないなー、MOMAがまた来ないかなとぼんやり思うこのごろです。

皆さんにとりまして、素敵な日曜日になりますように。

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アゲハ(気まぐれ更新・5)

突然ですがsynchronicity(共時性)って信じますか?

「石の話ではないの?」と突っ込まれそうですが、今日はごめんなさい。石をぽーっと眺めている時間を今別のことにとられてちゃってます。それが、なんと「アゲハの飼育」。実は、私はちょっと憂いを帯びた歌が結構好きで、宇多田ヒカルとかポルノグラフィティのある種のナンバーに凄く惹かれて、電車を待っているときとか小さく口ずさんだりしてました。で、先週木曜のナンバーはずっとポルノグラフィティの「アゲハ蝶」。ひらりひらりと舞い遊ぶように♪なんて、リズムとりながら幸せーに階段上ったり。←のんき。

すると翌日、母が山椒の小さな鉢植えを「あげるー♪」と持ってきたんです。(←母は有無を言わさず何もかも置いていく。)日中は仕事なのと、鉢が小さいので、干上がりそうだなーと思っていたら、案の定天気の良い日に葉がぐったり。鉢替えないと駄目ね…と思っていたら、「Hello」って、アゲハの幼虫がいました。

「※△★?%@!!Helloじゃないっ!」こ、怖かった、で、びっくりしました。東京に来て初めて。さすがに彼の食事を枯らしちゃった責任もあって、あわててホームセンターに山椒を買いに行き、彼を移し変えて、ちょっと待て、そしてどうしようか。

結果、飼育箱買いました。(←甘い人)野生でアゲハが成虫になれるのは0.6%。どうなるのかわかりませんが、しばらく奇妙な共同生活が続きそうです。互いにおっかなびっくりな感じ。お友達に話したら、「虫なんてやめてー」と言われたので(←そうだよね…)今回は写真はなしで。

いつか、綺麗なアゲハになる日が来るのでしょうか。

今日の教訓)シンクロニシティはありますが、シンクロして困らないものを希望しましょう。これで、歌ってたのが「森のくまさん」だったりしたら、洒落になんない。

P.S. アゲハは柑橘系の葉が好きで、グレープフルーツの葉も食べるそうです。…食生活には、通じるものを感じます。(←大のグレープフルーツ好き)日曜の更新はいつもどおりの予定です。

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アメトリン・タンブル

タンブル…ぶるぶる。結構好きです。気安くって、適度な大きさがあって、持ち運びも簡単。ほとんどのタンブルは1000円以下なので、お財布にもやさしくて。

Dvc20095今日は私が「ちいさな魚(マンボウ)」みたいと思っている、アメトリンのタンブルです。ぱっと見には、アメジストに見えますが、真ん中あたりにシトリンの暖かな黄色が見えます。

アメトリンは1970年代に市場に出始めたそうですが、その後合成品?との疑いがかけられたことがあります。後にボリビアの実際の鉱床が確認されて(ブラジルとの国境近く)市民権を得ました。名前はアメジスト+シトリン=アメトリンと至極単純。組成は水晶と同じSiO2で硬度は7。鉱床の特性によるものですが、シトリン部分はアメジスト部分より、鉄イオンを多く含んでいるそうです。一つの石で二つの色が楽しめる、ちょっとお得な石。

実はこのアメトリン、ロシアで精巧な合成品が作られ、市場にも流れています。ルースでは私も何度か見たことがありますが、見た目だけじゃわかんないです。(こーんなタンブルは心配ないとは思いますが、ルースはブラジル・ボリビアの市場でも混ざっても出てきているそうです)合成ものは、シトリン部分がちょっと色が濃すぎるかなというのが私の印象なんですが、こんなこと書いてると「じゃ、もちょっと薄いのを」とかって、作っちゃうんだろうな…。

ロシア何でも作るなーと私は思いますが、天然のがいいなという方は気をつけましょう。(中国の合成多色クォーツも今は綺麗なものが出てます。びっくり。アクセサリーの素材としては、使い勝手はよさそうなんだけど)

私が欲しいと思うような石は、ルースではないので気軽に買ってますが、今はアメジストも合成されちゃってますので、これも注意かも。それだけ天然で美しいものが減ってしまっているのでしょうか、そうじゃないと良いのですが。

Dvc20096※アメジストを加熱してアメトリンにすることは可能です。理論的にはシトリンにしたい部分を加熱しちゃえば出来るはずなので、職人さんのさじ加減によるのかも。このアメトリンを買ったのも、1)安かったので、これをアメトリンにしても原価と合わなそう、2)真ん中の部分だけがシトリンカラーだったので、「こんな風に加熱してアメトリンにするのは難しそう!」と思ったからなんです。これで処理ものだったら…、やられたー、でもあっぱれ、と思って笑うっきゃない。ある意味、ギャンブル。(おいおい)

きちんといろいろ教えてくださる業者さんから買うのが一番なのですが、現状では、そういうこともあるかもしれないなーと思っておきましょう。(でもこういう石は現状ほぼ大丈夫ですけどね)「ダマサレナイぞ」という気合と「お店の人とお話しするぞ」という勇気をバックに入れて、私は遊びに出かけます。

それにしても、紫と黄色は思っていたよりずっと綺麗なコントラスト。素敵な日曜日になりますように。

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エメラルド・ブレスレット

新緑の日差しが暑いくらいになってきました。いかがお過ごしですか。私はこれ以上そばかすを増やさないよう、UVケアが欠かせません。ひー。

Dvc20098さて、いったい何の石かと思ってしまいそうなこの石(タイトルで出てるってば)、一応エメラルドです。5月の誕生石。

組成:Be3Al2Si12O18の珪酸塩鉱物。簡単にいうと、ベリリウム、アルミ二ウム、珪素、酸素が結びついて出来ています。硬度は私は8と覚えていたのですが、さっきWikipediaで見たら7.5となっていました。そんなに柔な石ではないのですが、壁開性があるので、結晶にそって力を加えるとすぐ欠けてしまうそうです。(もちろん今日の石は宝石級のものではないのですが、含浸※破損防止・色改善のために樹脂をしみこませる処置されています。)緑の発色はクロム・パナジウムを微量に含むため。このベリル(Be3Al2Si12O18)の仲間は、微量に含む元素によって色が違って、鉄を含むとアクアマリン(または黄色のヘリオドール、色の出方は生成時の温度によって違うようです)、マンガンを含むと淡いピンクのモルガナイト、アルミなら無色のゴシェナイトとなります。(最近、ピンクの濃い「ラズベリル」を見かけるようになりましたが、貴重なのかすごいお値段。私絶対無理。)全部石としての組成は一緒なんですよ。

Dvc20099宝石級のものは、絶対無理だなってあきらめていた時に、ビーズを見つけて購入しました。(最近見るようになりましたが、前には全くといっていいほどなかった)そんなにいいものではないので、お値段はそれなりーなんですけど、「なぁに、その石?」と聞かれちゃうような、ちょっと不思議な雰囲気の色。(標本系だったら、何とかなるんですが、触れて楽しみたい大きさフェチ)でも所々、エメラルドの雰囲気は残しています。

エメラルドの宝石言葉は、「希望」と「幸福」。クレオパトラもこの石が大好きだったようですが、宝石級のものとは比べ物にならないんだろうな…。

5月生まれの方、お誕生日おめでとうございます。今では、美しいエメラルドは少なくなってしまいましたが、美術館等での巡回展示等あれば、私も見に行きたいなって思っています。エメラルドに守られた新しい年が、幸福に満ちたものでありますように。(エメラルドは心の安定にもいいそうですよ。)

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石と過ごす時間(気まぐれ更新・4)

「何くだらないことで更新してる!」と言われそうですが、お休みいかがお過ごしですか?私の掃除は…先に進みましょう。

Dvc20275今日は石のことではなく、私の好きな遊び道具の話。プリズムです。物理の授業で使った(ほんとにおぼろげな)記憶しかなかったんですが、その美しさはずっと覚えていました。直角プリズムと三角プリズム。今は珈琲飲みながら、窓辺に持って行って、太陽の光を分光させて虹を作ってみたりする程度。もっとちゃんと勉強しとけば良かったなぁ…。

って、「ただのガラスでしょ?」と思うなかれ。もちろん、ガラス(SiO2)はガラスですが、普通に使われているような、例えば窓ガラスなどは、透明度がそれほど高くないので、2、3枚重ねると、青っぽいような緑っぽいようなガラスそのものがあることがわかってしまいます。ところがこういった俗に「光学ガラス」は望遠鏡などに使われるものなので、透過した像が暗くならないように、透過率が普通のガラスよりずっと高いんです。(きまった屈折率も維持しなくてはいけないですし)

Dvc20277このプリズムはおそらくBK7と言われる、ホウ珪酸塩ガラス。プリズムの中では安いものですが、向こう側の世界に指を伸ばしたくなるような透明度。実用品として人に作り出されたものですが、私には美しいと思える、技術を信じたくなる、魔法の遊び道具です。(あ、これは撮影用にこの向きにそーっと置きましたが、本当は擦りガラスの面を下に置きましょう!←がさつな私でもさすがに気を使っている)

「光は、可視光線・赤外線・紫外線と様々な波長をもった波であり、粒子である。それがプリズムを通すと、可視光線の部分が7色に分光される」光を分光するという発見が、面白いなーって思います。

お休みもあと少し。良い休暇となりますように。

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ブラックルチル(トルマリン入りクォーツ)・ブレスレット

空が高いなー、って毎年GWを「お掃除週間」にしている私は思います。お天気が良くて、ぽーっとしちゃって、結果あんまり進まなかった…なんてことになりがちなんですが、今年はちゃんとしなくっちゃ。(←去年がどうだったかがよく分かる)

Dvc10127割と涼しげで夏に使いやすいのが、このブラックルチルのブレスレット。水晶に、黒の針状の鉱物が入り込んだものなので、硬度は7とまぁまぁ使いやすい方です。一応、ルチルクォーツの定義は、中に金紅石(ルチル)といわれる本来は赤っぽい鉱物が針状に入っているものがルチルクォーツ。でもこれはおそらくトルマリンが針状に入り込んでいるもの。なので、厳密にはルチルクォーツではありません。が、ぱっと見には、トルマリンやエジリン(←ちょっと針が太めな感じ、あくまで私の印象です。)入りクォーツも、本来の意味でのブラックルチル(金紅石が入り込んでいて且つそれが黒く見えるもの)も区別がつかないんです。少なくとも私は全くわからず。なので「黒い針状の物質」がはいっているのは、たいてい一緒くたに「ブラックルチル」とされています。(金紅石のルチルは光にあたると針がきらきらするので、きらきらしなかったらルチル以外のものが入っているんだろうなって想像するくらいです。)

割と男性的な感じを受ける石ですが、アクセサリーの素材としても面白いです。見た目ほどは服を選ばないし、「金ルチル」ほど他を圧倒しないので(←持っていてもつけられない人)私は好き。

Dvc10128この石は、6-7年前は結構手軽な値段で出ていたのですが、産出量が減ってしまったせいか結構値段が上がってしまいました。石を集めたりすると、タイミングってあるなと思います。(逆に、「あ、この石、ひょっとしてもう出ないかも…」と思ったりすると、買いたくなっちゃったり。)水晶自体はある石なので、また採れるようになるのかなと思いますが、持っている方大切にしてくださいね。

今日も良いお休みとなりますように。そして掃除が終わりますように。(おいおい)

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