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2009年8月

オレンジカルサイト・スフィア

残暑、まっさかり…なんですが、普段は空調の効いた場所で仕事をしているので、お休みの度に季節が変わっていくのを実感しています。それにしてもあっついなぁ。

Dvc20293このオレンジジュースを固めたような、美味しそうな石はカルサイト。オレンジ色なので、オレンジカルサイトと呼ばれます。この鮮やかなオレンジ色は微量の鉄分によるものだそうです。組成は、CaCO3。硬度3のかなり柔らかい鉱物。フローライトもそうですが、カルサイトもいろんな色を楽しめます。透明なもの、青、緑、ピンク、赤、金色のものと様々。値段も鉱物としては安いし、透明なものは複屈折なので、文字の上に置くと、文字が二重に見えたりと、いろいろ遊べちゃう石です。ゴールデンカルサイトも本当に綺麗。金ルチルよりもよっぽど、お金たまるんじゃないかと思うくらい、きらきらしていて魅力的です。ピンクカルサイトも可愛らしいし…

なのに、私カルサイトはこれ一つだけしか持ってません。もともと石を集めていたのは高校の頃で、その時はもっと持ち歩くにも安心な硬い石のほうが好きだったんです。あと、「CaCO3…炭酸カルシウム、って石灰だなー」というわけで、ありふれた物質だったためいまいち欲しいという気持ちにならなかったのも理由。理科の実験で、石灰水にストローを入れて、ぶくぶくと息を吹き込むと下に白い粉が沈澱するあれかーって、当時もう株大暴落でした。

Dvc20294けれど、今はいろんな色を楽しめるこの石、結構いいなって思います。理科を好きになるきっかけになってくれそうな石。私にはそうでした。(って私はばりばりの文系ですが、でもこういうの好きなんですってば)珊瑚、そして真珠も考えたらCaCO3ですしね。私は珊瑚大好きなんですけど、「いいなー」って思う度に、「炭酸カルシウム、石灰、石灰」とお財布に冷静さを呼び戻します。(いつも効果があるとは限らない…)でも、基本的には、カルサイト、珊瑚、真珠はとってもデリケートなので、大切にあつかってくださいね。

ほんと、このオレンジ色、元気出そう。8月最後の日曜、素敵な日にしてくださいね。台風、直撃しませんように。

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ピンクカルセドニー・ブレスレット

真夜中に、エアコンの前に立ちすくむ私。暑いなー。夏の間は、青系の石を中心に…と思っていたのですが、さすがに青ばっかり載せてもつまんないかなと思ったので、今日は私の好きなカルセドニーを。

Dvc10288ピンクカルセドニー。組成:SiO2、硬度6.5-7。何回か書きましたが、石英の目に見えないくらい小さい、微細な結晶が集まって固まったものです。カルセドニーのこのもやっとした優しげな感じが好きなんです、が、微細な結晶が集まってできたものなので、とっても染まりやすいんです。よくお土産物屋さんとかである、鮮やかなピンクや緑、青などのコースターは染めたものが多いので、私としてはちょっと考えちゃいます。(もちろん気に入ったら良しとしちゃいますが)

この石を買った当時は、とにかく染めじゃないもの、処理されていないもの、が欲しかったんですね。で、普通に買うより高くなってしまいますが、非加熱と記載のある業者さんから買いました。(カルセドニーは加熱しても色が濃くなります。)

Dvc10283色は本当に薄くって、一見「ホワイト」とも思えてしまう色なんですが、左のホワイトカルセドニーと並べてみると、ほんのりとピンクがのっているのがわかります。マダガスカルローズクォーツと雰囲気は似ていますが、カルセドニー特有のとろんとした印象で、区別が付きそう。今は、オーナメント用途なら「染め」でもいいかなって思うようになりましたが(でも染めは染めと明記してくださるのを希望)、こんな優しい色の方がやっぱり好きなようです。

染めに対する考え方はいろいろあると思うんですが、自分が納得できるお買いものにしたいですよね。私は、無処理のものが好きですが、用途によっては処理が入っていてもいいと思う方です。(ナチュラルのブルートパーズをアクセサリーに…なんてしたら、退色が怖くて使えないし。コレクション用途ならナチュラル推奨)

Dvc10285このピンクの発色の原因はなんだろうなーなんて考えているうちに、とろんとした色に誘われて私は眠くなります。ある意味すごいヒーリング効果。宝石療法というのがあると聞きましたが、こんな風に眠くなるのだろうか。(←違います

先週は仕事が忙しかったので、今日はぽーっとしたいなー、って思いつつ、ルーペで石をのぞいてみる日曜日です。(実はカラーフィルターを購入したので、それが届くのも少し楽しみなんです。)

良いお休みとしてくださいね。

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カイヤナイト・タンブル

夏休み、いかがお過ごしですか。私は家の片付けと溜まっていたDVDを何とか鑑賞しました。あと一日は普段なかなか書けないお友達に手紙を書こうかなって思っています。

Dvc20260今日の石も涼しそう。ヒマラヤ産のカイヤナイトのタンブルです。組成:Al2SiO5、硬度4or7。結構有名な話なのですが、「4or7って?」とおっしゃる方もいるかもしれないので、説明すると、この石は「二硬性」という性質で、繊維方向と同じ向き(この写真なら↙↗、石を縦に割ろうとする方向)に力を加えた場合硬度が4、繊維方向に垂直の力を加えた場合は、硬度7になります。個人的には、「竹みたいだなー」って思っとります。今まで偽物の話は聞いたことはありません。(この構造を再現するのは難しいと思う)主要な産地はブラジルです。同質異像(組成は同じだが結晶構造の異なる石)として、アンダリュサイト、シリマナイトが有名です。

Dvc20259色はこんな感じの濃い青が多いんですが、時々黄緑のものも見かけます。石の効能については鎮静作用とか書かれているサイトが多いですね。心に浸みとおるようなインディゴ・ブルー。一見厳しそうな青ですが、私は大きな優しさを感じます。ブレスレットにするにしても、落ち着いた青なので、むしろラピスラズリよりそれっぽくなくてお勧めです。

ただ、ブリオレットカットを施したものは、ちょっとぶつけただけでカット部分が白くなっちゃうので、取扱いには気を付けてくださいね。ビーズのものはそこまで心配しなくても大丈夫。宝石質のものは、サファイアに劣らない美しさです。

よいお休みとなりますように。

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シャーマンストーン

今日は東京も夏本番、アイスティーがすすみます。

Dvc00134お休みなので、もう一つ記事をあげられるかなと思いとってきたこの石は、シャーマンストーン。アメリカ、ユタ州で採れる、砂岩を赤鉄鉱がコーティングしてできた石です。

最近はアクセサリーを作ったりすることが多かったので、ほとんどこの石は手にとってませんでした。(ちょうど大福位の大きさで、重さは150gと、これをアクセサリーにするのは自殺行為。←それ以前に絶望的にごつい)大地の石、といった風情の、自然、特に土を感じられる石です。シャーマンが使ったからシャーマンストーンというらしいんですが、どうやって使ったかは不明。(おはじきにして遊んだという話もあるんですが、これはおはじきになんないと思う。)きっとちょっと珍しい石くらいに思われていたんじゃないかなと私は思っています。

自然に丸くなって出来た石とのことですが、ちょうど円盤のように横にラインが流れています。あと、馬の横顔のレリーフのように見える部分があって、そこも私のお気に入りポイント。

Dvc00096この石を手に取った時は、その重量感とほっこりした感じになぜかとても安心したんですね。価格も1500円ととってもお手頃でした。今はどうかなー、なんて、持って遊んでいたら、手に金属の匂いが。赤鉄鉱なので鉄の、そうそうこれは学校の鉄棒の匂い。

今の私は大丈夫だけど、靴をぬいで裸足で歩いてみたくなった時に、いいかもしれないなって思います。石としては全然綺麗!な感じじゃないんですけどね。(いわゆるヒーラーさんとか、石に力が!というのを感じられる人だったら、また違った見方をするのかなって思います)

良い土曜日を過ごしてくださいね。

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ブルートパーズ・ナチュラル

毎年のことながら暑くなりました。私、夏にはめっぽう弱くて、まったく生産性がなくなっちゃいます。(←使いもんにならない)

Dvc20101一番暑い時に、と思っていた石。ブラジル産のブルートパーズです。組成:Al2SiO4(OH,F)2、硬度8。一般的に黄玉といわれる、黄色系統は一般にOHタイプ、ブルー系はFタイプなので、これはFタイプの方。ごつごつで、クラックも傷も多い宝飾品にならないものなのですが、私の好きなナチュラル(未処理)ということだったので、購入しました。申し訳程度の薄いブルーです。

ブルートパーズが一般的に照射されているのは、やはり天然色のものは色が薄く、カットしたらブルーに見えなくなってしまうくらいのものが多いこと(見た目はアクアマリンぽいです。トパーズの方が重いですが)、あとは安定性に問題があるからです。退色して透明になっちゃう石が多いんですよ。聞いたところでは、ブラジル・ロンドニア産のブルートパーズは退色しないそうなんですけど、この石がロンドニア産かどうかは不明。あぁ、でも薄くなっちゃうかなー。(普段は引出しに入ってます)

Dvc20302というわけで、絶対、アクセサリーにならない石なんですが、ソーダ水のような涼しげな石。触れてみてひんやり。内包物もあるけれど、このラフな飾らない感じが私は好きです。

ところで、ブリオレットでピアスを作ったりして思うのですが、トパーズ結構重いです。比重は水晶より1近く大きいので、とても軽やかとはいかない、むしろ石に触れてみると風格のある石だなと感じます。

私は今年もグレープフルーツを食べながら、トパーズを眺めて涼む夏となりそうです。

どうぞ素敵な夏を過ごしてくださいね。

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アマゾナイト(ロシア)・ブレスレット

とうとう8月に入りました。今年はまだそんなに夏という感じがしないけれど、お元気ですか?

Dvc202988月は、見たら元気になれそうな石を選びたいと思ってたのですが、割りと優し目の石が最初に来ました。ロシアン・アマゾナイト。最近、見かけることが少なくなりましたが、しばらく前まではこの緑色の濃いアマゾナイトの方が多かったんです。「何かしましまー。」と表情を楽しむことを知らない私は結構長い間変な石扱いしてました。

ただ、実物を見ると可愛いです。ヒョウ柄でコワモテ…と思っていたんですが、緑が鮮やか。組成はKAlSi3O8でアマゾナイトには共通ですが、ロシアのものは緑が強い。ペルー産、ブラジル産は青が強くシーブルーな印象で、タンザニアではパステルグリーンだったり。この発色の原因は鉛だそうですが、産地による色の違いも楽しめます。

Dvc20102このアマゾナイト、見た目はしましまなんですが、石英が入りこんでいるので、つやつやです。確かに、アクセサリーには加工しにくいタイプだとは思いますが、優しい猛獣(←矛盾)を見ているような、ユーモラスな素材。

今は他の産地に押されて少なくなってしまいましたが、多分オブジェとして研磨されたスフィアやエッグはリビングに映えます。(私はビーズばっかり集めちゃいましたが…)たまご型集めればよかったなぁ。写真より、本当にずっと綺麗な石です。

今日も良い一日を過ごしてくださいね。

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