« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »

2009年10月

プラシオライト(グリーンアメジスト)

私は基本は無処理の石が好きなのですが…とっても気になる処理石というのもあって、それが、今日のプラシオライト(グリーンアメジスト)です。

Dvc00125

もともと、グリーンアメジストはブラジルモンテズーマ産のアメジストを650度で加熱して薄いグリーンにしたもので、どこの産地のものもグリーンになるというわけではないようです。(ウルグアイとか一部の産地でもグリーンになるものがあるようですが)

水晶に照射をすることによって人工的に作られた、グリーンクォーツは、チェルシーカラーフィルターで赤色が確認できるとのことだったので、試しに覗いてみたら、赤は見えませんでした。ちなみに以前、「照射かなー」と言っていた、私がワイヤーラップしたプラシオライトも赤は見えません。なので、どちらもブラジル産のアメジストを熱加工したもので間違いないようです。

(このカラーフィルター、ちょっと面白い道具なので、またいろいろ覗いてみたいなって思っています。)

ごく稀に、天然でプラシオライトになったものもあると聞きますが、加熱との区別ってきっとつかないんだろうなぁ。

Dvc00128

名前、「プラシオライト」は、ティファニー社がコマーシャルネームとしてつけたもの。私はどうしてこの石?、処理しているのに?って思っていたのですが、手にして納得。爽やかなライムグリーンが清楚で、シルバーによく映えます。

ミントのように涼やかな石。気持ちがほっとしちゃうので、ストレスが多い人におすすめかもしれません。もとは色の薄めのアメジストかなと想像してますが、値段も結構お手頃。(このタンブルは、1000円ちょっとでした)

プラシオライトは物事を明るい方向に導いてくれるといわれています。私はそんなに迷信深くはないけれど、この優しい緑、好きな色です。

今日もよいお休みにしてくださいね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

スタウロライト

人形劇、って知っていますか?普段映画とニュース以外はほとんどテレビは見ない私が、欠かさず見ているのがNHKの新しく始まった人形劇、「新・三銃士」です。私、原作のダルタニャン物語が大好きなんです。(えらく長いんですけどね…)好きな登場人物は沢山いますが何と言ってもロシュホールとアトスが好きなので、この2人をなんと声優の山寺さんが二役!えぇ、見ますとも!

この話をすると長くなりそうなのでやめときますが、三銃士好きな方、私も大ファンです。(おいおい)

三銃士の登場人物たちでこの石が好きな人はいない感じですが、ちょっと気になる石がこれ。なかなかいいのがないなー、と思いつつ買わずにいたのですが、お世話になっているネットショップでたまたま見つけて買ってしまったのがこれ。

Dvc00187ロシア産のスタウロライト。組成:(Fe,Mg)4Al17O13(Si,Al)8O32(OH)3、硬度:7-7.5。亜鉛が含まれる場合もあるようです。この石はもともと一本の柱状の結晶が双晶となって現れます。一本でも出てくる場合もあるようですが、こんな風に2本が組み合わさった形で出てくることが多いなんて私にはとても不思議です。ちょうど、右上の部分は一本で出てきているものなんでしょうね。

綺麗なクロスの形、十字軍の兵士がお守りに持っていたというの、何となくわかります。

組み合わさった角度は、60度、90度のもの、中には3本が組み合わさって「*」みたいになっているものもあります。私は「十字石」らしい、90度のものが欲しくて結構探したのですが、探している間の「これ買わなかったらもうないかも」というのと「もう少し気にいったのがあるかも」というせめぎあいが、なかなか大変。やっぱり、ピンと来て気に入った物を買うというのが私にはあってるなーって思いました。

Dvc00186ところで、この石の母岩、写真の白い部分は雲母なんですが、非常にもろくって、少し指先でこするようにするだけで、キラキラした結晶が指先についてきちゃいます。

母岩がもろいので、長い間に雲母の部分は風化して、十字の部分だけが残っているものもあります。そして、さらに宝石質の結晶も実はあって、ちょうどアルマンディンガーネットや、赤のジルコンのような赤褐色のような感じです。(←お財布的に購入不可)

綺麗という石ではないけれど、人の興味を引く石なのは間違いないようです。あ、でも持ち歩きはちょっと難しいかなぁ。母岩剥がれちゃうし…。

今日も良いお休みにしてくださいね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

石と過ごす時間(気まぐれ更新・10)

犬を飼っている人からは、犬が石を好きでなんだかわけのわからない石を持ってきて、噛んだりしているという話を時々聞きます。私は以前、親戚の家に行ってその家のわんこと仲良くなり、犬小屋の中から「いる?」という感じで彼から石をもらったことがありました。ど、同士だわ。

Dvc10390このブログでは、綺麗な石、ちょっと珍しい石を紹介したいと思っているのですが、どちらにも当てはまらない石なのに、いいなーって思ってしまった石もあります。

スモーキークォーツ。言わずと知れた水晶の仲間で、ブラウンがかったもの。これは6角柱のポイントを研磨する際に出来たスライスを磨いたものだそうで、石を買ったおまけに頂きました。が、私は買った石より、このおまけに肩入れしてしまうという、本末転倒っぷり。何がいいって、この中に散りばめられた、おそらく雲母がきらきらしているのが気に入ってしまったんです。

こんな風に晴れた日の窓辺に置くと、星が散っているよう。安上がりこの上ない、お楽しみに私は小さい頃なんでもないものを宝物にしていた時のことを思い出します。

Dvc10387

お金を出せば、確かに素敵な石は手に入るし、私もできるだけいいものが欲しい!と思ってしまう部分が確かにありますが、お気に入りの小さな石をゆっくり観察するのもとても贅沢な時間だなって思います。

3連休の最後の日、よいお休みとしてくださいね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

セラフィナイト(クリノクロア)・ラフ

少しずつ涼しくなってきましたが、お元気ですか?東京の秋は、長野に比べるといまいち温いので、「きりっとせんかい!」と思っちゃいますが、でもいい季節になりました。

Dvc20249今日はタイトルをセラフィナイトにしようか、クリノクロアにしようか、少し悩みました。この石は緑泥石(クリノクロア)の中で、緑色の地に、パールのような放射状の模様を呈しているものです。それが天使が翼をひろげたように見えることから、「熾天使」としてセラフィナイトと呼ばれています。(日本語では斜緑泥石と呼ばれます)でも、この「セラフィナイト」ってコマーシャルネームであって、石として正式な呼び名かというと、そうじゃないんですよね。でも、市場にはもうその名前で浸透しているので、セラフィナイトとしました。

組成:((Mg,Fe)5Al(Si3Al)O10(OH)8)、大体化学式が長い鉱物は硬度が低いことが多く、このセラフィナイトも、硬度2.5ととても柔らかい石です。

なので、ビーズで割ってしまうのが恐ろしくて、ラフな原石を買い求めました。本当はスフィアが一番綺麗だなって思っていたんですが、予算の都合もあって、この一面磨きの石に。冬の針葉樹森に迷い込んだような、美しい深緑。初めての石を手に取る時は、私結構どきどきなんですが、この石に限っては最初からほーっとリラックスして眺めてしまいました。

Dvc20247磨かれた面に光が当たると、確かに羽根のよう。

緑泥石は産出量も多く、珍しい石ではないけれど、そこに天使の存在を見つける人の心が可愛らしいと私は思います。とても優しい雰囲気の石。たまご型やスフィアで、そっと手の中に収めたくなる、そんな感じの石です。あ、でも大きめのペンダントにしても綺麗ですよ、きっと。

今日も良いお休みにしてくださいね。私はこれから珈琲豆を買いに出かけます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

クンツァイト・ラフ

2週間ほど前に、野菜カッターで右手の親指をさっくり切ってしまい、指先をつかうことをちょっと控えていたんですが、やっと編み棒がもてるようになりました。今日は久々に毛糸玉で遊ぼうかと思っています。し、幸せ。

さて、1902年と比較的最近に発見された石、クンツァイト。私が主に石英系の石を集めていたのは中学生の頃なんですが、その頃にはこの石は全くと言っていいほど見ませんでした。(まぁ、その頃のお小遣いで買えるような石ではないので、気がつかなかった…という可能性もあり)で、時が流れて、ピンク色の石と言えば、「ローズクォーツで足りてるもん」と。ローズクォーツ好きですし。で、そんなこんなでなかなか手にする機会がなかったんですが、6月のミネラルショーで手に入れたのがこれ。

Dvc00045_2クンツァイト。スポジューメン(リチア輝石)の中でラベンダーからピンク色を呈するもの。黄緑から黄色っぽいのはヒデナイトと呼ばれます。組成:LiAlSi2O6。硬度:6.5-7。組成を見ると、リチウムが1、アルミニウムが1、珪素が2に酸素が6という分子構造で、宝石としての価値が見出される前は専ら鉱物資源でした。リチウム電池のリチウムが採れる石なんです。(もっとも鉱物資源としてのスポジューメンはもっと「岩」っぽいらしいです)

その後宝石質のものが沢山とれるようになり、クンツァイトは鉱物資源としてではなく宝石として人気が出ました。何ていっても、この石は「可憐」。カリフォルニア・アイリスとも呼ばれます。

Dvc00043実はこの石、ショーでアフガニスタンブースのおじさまと話しこんで、しっかりのせられて買ってきちゃったものなんです。(値切ったくせに…)条線がある、グレードとしてはそんなに高いものではありませんが、大きさもあるので私は満足。

仕切られたケースの中にローズクォーツと並んで入っていますが、比べるとクンツァイトは本当に繊細な印象です。壁開性があり、容易に太陽光で退色しやすいので、私は「身につけるのはなー」とためらっちゃいますが(←何しろがさつ)、小さなものを慈しむような優しさを呼び起こしてくれる石です。

優しさに溢れた素敵な日曜日を過ごしてくださいね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年9月 | トップページ | 2009年11月 »